おもしろ茶話

節減農薬・節減化学肥料栽培への道のり

食品に関しては 安全性が求められています。
私たち茶業者には、いったい 何が出来るのだろうかと考え始めました。

お茶の栽培には、昔から肥料を多く使う傾向がありました。
都立農業試験場の先生のススメを受けて肥料を減らす試験を私の畑で平成12年からスタートしました。

その内容ですが
10a当たりの散布する肥料の窒素成分で50kgの畑と2割減らした 40kgの畑を比べて試験を行いました。
この数字は 年間散布合計量です。
数年続けた結果は、茶摘みのタイミングさえ、逃さなければ収量や品質には ほとんど差が無い事が わかりました。
これをきっかけに東京都の特別栽培認証制度にチャレンジしていくことになりました。

特別栽培農産物について説明します

一般的な農法に対して化学合成農薬と、化学肥料の窒素成分を5割削減して東京都に申請を出して認められた農産物を言います。

特別栽培では、農薬の使用回数を減らすという点が重要になってきます。
それとともに収量や品質を維持できるかということも課題となりました。

農薬については、発生予察トラップを利用して害虫の発生状況を調べることにより、効率的に使うことができました。

また、交尾阻害のフェロモン剤・ハマキコンと呼びます。

これを使うことによって減農薬栽培が可能となりました。
さらに、肥料については堆肥や有機質肥料を積極的に使って、化学肥料の使用量を減らしてきました。
これは、発生予察トラップの設置の様子です。

チャハマキなどの害虫の発生が予測出来て計画的な農作業が可能になります。
これは、ハマキコンの設置の様子です。
赤いチューブの中にメスの合成フェロモンが染みこませてありオスが混乱して 交尾の機会を減らしていくものです。
フェロモン剤なので、人間や茶の樹にはまったく影響がありません。
10アール当たり 150本 から 250本 ぶら下げます。

ハマキコンを設置したところではほとんどチャハマキの発生はありませんでした。
よってハマキコンは非常に効果が高いということが認められました。
今の事例は、ほんの一部でありますが
これらの取り組みにより特別栽培茶面積も徐々に増えました。

消費者ニーズの高い安全で安心な農産物は徐々に広がってきています。